株式会社プラザサンルートが経営する、東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテル「サンルートプラザ東京」
同ホテルでは、大量の発注伝票を効率的に処理するため、1992年にオリーブ情報処理サービスのホテル購買システムを導入して発注業務の省力化を実現していましたが、
2011年3月に従来の社内でのシステム運用から、クラウドサービスである「OLIVE SUITE(以下、オリーブスイート)」に切り替えました。これにより、発注業務の省力化を実現するとともに、
発注・納品・棚卸データを調達課で一元管理することで原価の把握を推進。さらに、サーバーの管理が不要のためシステム運用にまつわる負担を軽減し、
BCP(=事故や災害の際に事業を継続あるいは早期復旧させるための計画)対策も強化しています。
営業内容
・ホテルの経営、並びに経営の受託、企画、設計、営業に関するコンサルタント業
・その他ホテル経営に伴う業務
東京ディズニーリゾートオフィシャルホテル第1号として1986年にオープンした「サンルートプラザ東京」を経営する。
平成17年2月にはホテル利用客総数2千万人を達成。
696室の客室を持ち、東京ディズニーリゾートを訪れる多くのお客様に、快適なリゾートライフを提供している。
当ホテルでは以前からオリーブ情報処理サービスのホテル購買システムを導入されていたそうですが、 その経緯について教えていただけますか。
橋本氏
オリーブスイートの前身であるパッケージ型ホテル購買システムと出会ったのは、1992年に行われたホテル業界向けシステムの展示会でした。
当時当ホテルでは、電話とFAXを使って発注を行い、納品時には商品と伝票を照合して検品。月末には、納品と請求の伝票を照らし合わせて金額をチェックしていました。
そしてこれらはすべて手書きの紙伝票で処理していたため、担当者にとって大きな負担となっていました。
また当ホテルでは、レストランなどの各現場が調達課の担当者に購入を依頼。調達課はそれらをとりまとめ、一括して発注を行っていますが、
ただでさえ多い伝票が繁忙期には2~3倍に増えるため、あまりの忙しさから電話の聞き間違えや、伝票の読み間違えといったミスが増えてしまっていました。
そこで、発注等のデータをデジタル化し、やりとりをスムーズにできないかと考えたのです。
当時、ホテル向けの購買システムはほとんどが専用機ベースでした。
そんな中、オリーブ情報処理サービスだけがPCベースのホテル購買システムを出展しており、聞けばカスタマイズにも対応してもらえるということから導入を決めました。
2011年3月に既存の自社運用のシステムから、クラウドサービスのオリーブスイートへ切り替えられましたが、そのきっかけはなんだったのでしょうか?
橋本氏
選定にあたっては他2社のサービスと比較したのですが、カスタマイズへ柔軟に対応できる点を高く評価しました。
というのも、当ホテルには独自の運用の流れがあるため、それに合わないようでは導入する意味がありません。
しかし1社のサービスは基本的にカスタマイズができず、システムに人が合わせるタイプのもので、仮に必要な機能を実装しようとすると相当な追加費用がかかり、
また別の1社のサービスはもともと高額という問題がありました。その点、オリーブスイートはカスタマイズが可能な上、コストも安かったこともあり、採用を決めました。
導入の際には、現場が容易に、かつ違和感なく使えるよう、インターフェースをカスタマイズしました。
例えば、よく使う食材などは「いつもリスト」として別に表示できるようにし、プルダウンによる選択を可能にしています。
また、現場の発注者が調達課に対して、ひとことコメントを入力できるようにもしました。
これにより、一定期間行うフェアメニューの食材を発注する際は、1種類の食材を1回でまとめて発注し、納品時期を分けるといった指示も可能になりました。
オリーブスイートの導入効果はいかがですか。
橋本氏
最大の効果は、これまで現場に留まっていたデータを、調達課で一元管理できるようになったことです。
これにより、レストランごとの詳細な売上把握、棚卸、振替が「見える化」されました。納品データがあるため棚卸も容易になり、
結果として原価を迅速かつ正確に把握できる体制が実現。より適切な発注を行えるようになりました。加えて、サーバーを持つ必要がないため、
システム運用の手間も無くなりました。
ちなみにこれまでは現場からの依頼の伝票を見て、調達課がPCへ入力。取引先に発注するというのが業務の流れだったのですが、
今回の導入を機会に各現場にPCを1台ずつ設置。担当者が直接入力して発注し、調達課は確認するだけで済むようにしました。
また、以前は調達課も現場から上がってくる納期の問い合わせなどに追われていましたが、今は現場がPCで状況を確認できるため、
そうした対応に時間を取られることが無くなりました。業務の効率化という点でもメリットは大きく、繁忙期など伝票が激増する時期を含めて残業が激減しました。
由布氏
以前は、発注書を取引先へ送付するのに1回あたり2~3分はかかっていたため、専用のFAXを3回線用意して対応していました。
それでもこの作業が終わるまで2時間~3時間はかかっていたと思います。
それが今では、発注の7割がメールで行われ、FAXによる発注も一括処理できるようになったため、かかる時間は大幅に短縮されました。
また、数年前のデータを参照したいという要望が時折、現場から上がってくるのですが、以前は保管してある該当データを探し出すだけでも大変な作業でした。
それが今では、データはすべてクラウド上にあるため、すぐに参照できます。
オリーブスイートを導入したのは、ちょうど東日本大震災が発生した直後でしたが、クラウド化によってBCP(事業継続計画)対策が実現したのはよかったと思います。
自社運用と比較すると、障害対応も圧倒的に早いですしね。
今後のオリーブスイートの活用について教えてください。
由布氏
将来的には発注をEDI(電子商取引)方式に切り替え、さらに業務の効率化を進めていくことを検討しています。
また、ネットワークの冗長化など、BCP対策も強化していきたいと考えています。
オリーブ情報処理サービスにはいつも迅速で手厚いサポートをいただいていますので、今後ともご協力を願えればと思っています。
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